WordPressのスラッグ(slug)とは?意味・設定方法・決め方を解説
WordPressを使っていると日頃目にするスラッグという単語。
「なんとなくURL関連の言葉であることは文脈からわかるものの、正確な意味はわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、スラッグの意味やWordPressでの設定方法、そしてスラッグを決める時の具体的なポイントについて解説します。
目次
WordPressのスラッグとは「URLの末尾に当たる、各ページに固有の文字列のこと」
WordPressのスラッグの意味を一言で説明すると、URLの末尾に当たる、各ページに固有の文字列のことです。
これをより深く理解するためには、URLの構造について知る必要があります。下の画像をご覧ください。
このように、URLは大枠で言うと、プロトコル、ドメイン、パスの3つのパートに分かれます。それぞれの意味は下記の通りです。
- プロトコル
- 通信のルールを規定する部分
- ドメイン
- Webサイトの住所に当たる部分
- パス
- ファイルの場所を示す部分
プロトコルとドメインは、サイト内の全てのページで共通です。そのため、ページの識別を可能にするのはパスの部分です。
例として、今ご覧になっているこのページのURLを見てみましょう。
https://rilaks.jp/blog/slug/
ハイライトを当てている部分がパスで、この中の“slug”がスラッグです。
このページから1つ階層を昇ってブログ一覧ページである https://rilaks.jp/blog/ に移動したら、“blog”がスラッグです。
このように、スラッグとはURLの末尾に記載された各ページに固有の文字列を指し、この部分によってページを識別することができます。
WordPressでスラッグを設定する方法
WordPressでスラッグを設定する具体的な方法を説明します。下記の2種類に大別して見ていきます。
- 投稿ページと固定ページのスラッグ設定
- カテゴリーとタグのスラッグ設定
投稿ページと固定ページのスラッグ設定
WordPressには投稿ページと固定ページという2種類の個別ページがあります。
- 投稿ページ
- お知らせやブログなど定期的に更新されていくようなページ
- 固定ページ
- 事業紹介や会社概要など(リニューアルされることはありますが基本的には)内容が固定されているページ
これら2種類の個別ページのスラッグの設定方法は同じです。
まず、WordPress管理画面の左カラムのメニューの「投稿」あるいは「固定ページ」からスラッグを設定したいページを選択します。
そして、右カラムの中にある「パーマリンク」の「URL スラッグ」にスラッグとして使用したい文字列を入力します。
入力が済んだらページを公開・更新すればスラッグの設定は完了です。
ページの編集画面に「パーマリンク」が無い場合
ページ編集画面の右上にある「︙」のアイコンをクリックするとメニューが表示されます。その中にある「設定」を選択してください。
「パネル」の中にある「パーマリンク」のスイッチをオンにしてください。
これでパーマリンク欄が表示されます。
カテゴリーとタグのスラッグ設定
次にカテゴリーとタグのスラッグについて見ていきます。
投稿ページや固定ページはいずれも個別のページでしたが、カテゴリーやタグは、投稿ページを共通のカテゴリーやタグでまとめて一覧化したページのことです。
カテゴリーとタグのスラッグの設定方法は同じなので、カテゴリーを例に取り方法を解説します。
まず、WordPress管理画面の「投稿」から「カテゴリー」を選びます。そうすると、「新規カテゴリーを追加」というエリアが表示されるので、新規カテゴリーの場合はここに任意の文字列をスラッグとして入力し登録します。
既存のカテゴリーのスラッグを変更する場合は、カテゴリー一覧からカテゴリー名か「編集」か「クイック編集」のいずれかを選択します。
そうするとスラッグ欄が表示されるので、任意の文字列の入力し登録します。
前述した通り、タグもカテゴリーと同じ方法でスラッグを設定できるので、「投稿」→「タグ」から同じように確認してみてください。
カテゴリーのスラッグをURLに含めたい場合
カテゴリーのスラッグをURLに含めるには、サイト全体でのパーマリンクの設定が必要です。
WordPress管理画面の左カラムのメニューの「設定」から「パーマリンク」に進んでください。
「カスタム構造」を選択し、URLの設定欄の中に/%category%/を含めてください。これで、カテゴリーのスラッグがURLに含まれるようになります。
スラッグの決め方
次に、スラッグを決める時のポイントを5つ解説します。
- 複数単語はハイフンで区切る
- ページと関連するワードを入れる
- 日本語は変換されてしまう可能性があるので避ける
- できるだけ短くする
- 大文字は使わない
複数単語はハイフンで区切る
スラッグの中で複数の単語を使いたい場合は、「つなげて書く」「アンダースコア(_)で区切る」「ハイフン(-)で区切る」の3つの方法が考えられますが、推奨はハイフン(-)の使用です。ハイフンを使うとよい理由は2点あります。
- ユーザーから見てわかりやすい(つなげて書くとわかりづらい)
- Googleが区切り文字としてはハイフンを推奨している
ユーザーから見たわかりやすさ
例えば下記をご覧いただければわかる通り、複数単語(ここではsearch engine optimization)をそのまま繋げて書くよりも、単語ごとに区切る方が一目で意味が見てわかりやすいです。
- https://domain.xxx/searchengineoptimization/
- https://domain.xxx/search-engine-optimization/
/searchengineoptimization/のように長めの連結語句を区切らずに書くと、意味の無い文字列のように見えてしまいます。それに対して、/search-engine-optimization/のように単語の切れ目に区切り文字を入れれば、言葉として理解しやすくなります。
Googleが区切り文字としてはハイフンを推奨している
複数単語を使う場合は区切り文字を入れるのはよいとして、アンダースコア(_)とハイフン(-)はどちらを使うべきでしょうか。
結論としては、どちらでも問題は無いものの、ハイフンの方が無難です。
理由は、シンプルにGoogleがそれを推奨しているからです。
URL では、ハイフンを使用して単語を区切ることを検討してください。そのようにすると、ユーザーと検索エンジンにとって URL のコンセプトが理解しやすくなります。URL では、アンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使用することをおすすめします。
ただ、一方で、Google Webmastersによる動画でJohn Mueller氏は、”We don’t really care about underscore versus dashes.
“(和訳:Googleは、アンダースコアかダッシュかはそんなに気にしない。)とも述べています。
つまり、ハイフンを推奨しているものの、どちらを使ってもSEO上の実質的な影響は無いことが伺えます。そのため、どちらでもよいのですが、迷うなら最新の公式ドキュメントで推奨されているハイフンを使うのが無難でしょう。
なお、2011年段階では、GoogleはURLにおけるアンダースコアとダッシュ(ハイフン)を技術的に区別していたようです。
If you say red dash widget in a URL, we view that dash as a separator. So we index the word red, and we index the word widget. And those are separate. Whereas if you were to have war of 1812 with underscores [. . . ] instead of separating on the underscores we actually glom all those together.
和訳:もしURLの中に”red-widget”と入っているなら、Googleはそのダッシュを区切り文字として捉える。したがって、”red”という単語と”widget”という単語を別の単語としてインデックスする。それに対して、もし”war of 1812″がアンダースコア付きでURLに含まれていれば、Googleは、アンダースコアに基づきそれらを分けるかわりに、すべてを一つの語として見る。
つまり、「少なくとも2011年段階では、アンダースコアとハイフンを明確に区別していた」→「John Mueller氏が発言している2016年段階では、明確に区別しなくなった」→「しかし、2023年現在でも、公式には複数単語の区切りにはハイフンが推奨されたまま」ということになるかと思います。
ページと関連するワードを入れる
これはSEOのテクニック的な話ではなく、ユーザー目線でそうした方がわかりやすいからです。
ページに流入する前にURLを目視するタイミングとしては、サイトやSNSにおけるアンカーテキストや、検索結果の面などが挙げられます。そのような場面で、例えば下記の2つならどちらの方がわかりやすい(=クリックしてそのページに流入するかを判断しやすい)でしょうか。
- https://domain.xxx/123/
- https://domain.xxx/search-engine-optimization/
/123/だとページの内容を知る手がかりがまったくありませんが、/search-engine-optimization/であればSEO関連のページだとわかります。ユーザーにとっての利便性が向上するため、おすすめです。
また、GoogleのJohn Mueller氏は下記のように述べてきます。
I believe that[keyword in the URL]’s a very small ranking factor, so it’s not something I’d really try to force.
和訳:URLにキーワードを含めることは、かなり小さな順位への影響要因なので、実施するよう説得するようなものではない。
実施したからといって順位が上がるというものではないことが伺えますが、一方で一応は検索順位を決める要因に含まれるのであれば、ユーザーの利便性を考えても、入れない理由は無いと考えます。
日本語は変換されてしまう可能性があるので避ける
スラッグに日本語を使うと、環境によっては自動的に半角英数字と記号の組み合わせに変換(エンコード)されてしまう可能性があります。
例えば、/ウェブマーケティング/はエンコードされると/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%96%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/になってしまいます。無駄に長くなってしまい、場合によっては不安を感じる文字列とも捉えられかねません。
したがって、スラッグでは日本語は避けた方が無難といえるでしょう。
できるだけ短くする
スラッグに限らず、文字列は長くなるほど認識に時間がかかってしまいます。ユーザーにとってのわかりやすさを考えれば、できるだけ短く表現する方がよいでしょう。
とはいえ、「ページと関連するワードを入れる」のところでも見たように、/123/などページ内容と関係の無いかたちにすると、それはそれで不便です。
したがって、意味がわかる範囲での最小限の文字数を心がけるのがおすすめです。
なお、ブラウザごとに健全に機能するURLの長さに上限がある場合もあり、その点でも長すぎるスラッグは避けるべきといえるでしょう。
大文字は使わない
仕様上、スラッグには大文字を使うことができます。しかし、すべて小文字で揃えるのがおすすめです。
理由は、一般的にスラッグは小文字で統一されることが多く、たいていの人はその形に慣れているため、大文字を混ぜるとどこかのタイミングでヒューマンエラーが起こり、リンク先の指定などにおいて誤って小文字に置き換わってしまうリスクがあるからです。
大文字を使わなければ表現できないということは基本的に無いと思いますので、それであれば小文字で統一した方が安全です。
WordPressのスラッグ:まとめ
記事のポイントをおさらいします。
スラッグとはURLの末尾に当たる、各ページに固有の文字列のことで、WordPressには大別すると「投稿ページと固定ページのスラッグ」と「カテゴリーとタグのスラッグ」があります。
また、スラッグを決める時の具体的なポイントは下記の5つです。
- 複数単語はハイフンで区切る
- ページと関連するワードを入れる
- 日本語は変換されてしまう可能性があるので避ける
- できるだけ短くする
- 大文字は使わない
この記事が、スラッグについて理解を深める助けになれば幸いです。