あえてランディングページでSEOをする【押さえるべき3つのポイント】

著者:牧野健人

せっかくLP(ランディングページ)を作るからには、広告だけでなく自然検索でも表示されるようになって欲しいと考える方は多いのではないでしょうか。

一方で、一般論としては「ランディングページではSEOのことを考えるべきではない」と言われることも多いです。

そこでこの記事では、ランディングページでSEOをすることのデメリット(≒なぜ、SEOを考えるべきでないと言われることが多いのか)と、あえてLPでSEOをする場合のポイントを解説します。

この記事では、「ランディングページ」という言葉を、「流入の入口となるページ」という広い意味ではなく、「主に広告などで使用するコンバージョン獲得に特化した一枚モノのページ」という狭い意味で使います。

特に、本体的なサービスサイトが別に存在する構造の中で、サテライト的に使うランディングページを想定しています。

牧野健人

記事の著者牧野健人

株式会社リラクス 代表取締役。CRO・SEOを専門とし、デザイン・実装のスキルも活かしながら、クライアントの成果向上のための取組に尽力。
慶應義塾大学卒業後、行政機関を経て、デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて運用型広告のクリエイティブプランニングに従事。2019年にリラクスを創業。

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ランディングページでSEOをするデメリット

ランディングページでSEOをする場合のデメリットは主に2つです。

  1. コンバージョン率が下がる可能性がある
  2. ブランディング機会を損失する可能性がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

コンバージョン率が下がる可能性がある

ランディングページとは「ユーザーをコンバージョンに導くこと」を目的として制作されるページです

しかし、SEOを意識することで、ページの内容がその目的からブレるリスクが生じます。

これが、ランディングページでSEOを意識することの最大のデメリットです。

コンバージョン獲得が目的である以上、ページの掲載内容は「何をどう書けばコンバージョンに繋げられるか」という軸で選定されるべきです。

そうすると、例えば、下記のようなことをすることが望ましいケースも存在します。

※上記2点はランディングページを制作する上での汎用的なポイントというわけではありません。あくまでも、ケースによってはこうするのがよいこともある、という意味合いです。

一方で、SEOの観点では下記が重要になるため、上記2点はいずれも望ましくありません。

このように、ランディングページのポイントとSEOのポイントが両立できない場合があるため、SEOを優先してページを設計すると、結果的に「コンバージョンを獲得する」という第一の目的からブレて、コンバージョン率が下がるリスクが生じます。

これが、ランディングページでSEOをする場合の1つ目のデメリットです。

ブランディング機会を損失する可能性がある

ランディングページはあくまでもコンバージョン獲得に特化したページであるため、企業やサービスのブランドを代表できるページではないことも多いです。

例えば、企業のビジョン・サービス開発の礎になっている想いなどは、直接的なコンバージョンを促進する上では必ずしもユーザーに伝えるべき必須項目ではありません。

しかし、ブランディングの観点からは、ビジョンや想いがユーザーに伝わることは重要です。

仮にランディングページがコーポレートサイトやサービスサイトよりも上位に表示されてしまうと、ブランドを表現しているページにユーザーが接触する機会が減り過ぎて、CVというKPIは最大化できつつも、長期的には事業にマイナスをもたらす可能性が生じます。

これが、ランディングページでSEOをする場合の2つ目のデメリットです。

広告代理店・マーケティングコンサルティング企業などでは、制作したクライアントのランディングページが検索結果に出てこないようno indexをつけることもあります。

ランディングページのSEOのポイント

これまでランディングページでSEOをするデメリットを解説してきました。

では、ランディングページでは絶対にSEOをするべきではないのかというと、必ずしもそうではありません。

「コンバージョン率を下げず、ブランディングの妨げにもならない」という条件を満たすことができれば、「コンバージョン率を最大化できるページ」としてのランディングページへの流入を自然検索経由でも増やすことは問題無いでしょう。

つまり、下記のいずれにも当てはまるのではあれば、デメリットを発生させずにランディングページでSEOをすることができます。

  1. まずはあくまでもコンバージョン最適化の観点で設計しつつ、その上で、可能なSEOを施す
  2. コーポレートサイトやサービスサイトで明確なブランドイメージを表現しているわけではない場合に実施する

以下で、ランディングページでSEOをする際の3つのポイントを解説します

文字を画像ではなくテキスト要素で実装する

ランディングページでは文字を画像ファイルで表現することが少なくありません。

しかし、SEOの観点では、まだ検索エンジンが画像内のテキストを完全に理解できるわけではないので、特に見出しなどの重要な要素は必ず画像ファイルでなく文字で置く必要があります。

その場合、込み入った装飾を持つ表現などは実装できなくなりますが、コンバージョン最適化の観点でも細かな装飾は意味が無いことが多いので、問題はありません。

画像の容量を抑える

ランディングページではビジュアルでの表現が重要になることが多いので、使用する画像量も増えがちです。すると、ページにおける画像ファイルの容量が大きくなり、ページの表示に時間がかかってしまうことがあります。

しかし、ページの読み込みに時間がかかることはSEO上マイナス要因です。(参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ: ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します

そもそも、Googleがページの読み込み速度をSEOの指標の一つにしているのは、ページの読み込みに時間がかかるとその時点でユーザーにストレスを与えUXを悪化させるからです。これは、読み込み速度が1秒から5秒になると離脱の可能性が90%増えるという研究からも明らかです。

したがって、コンバージョン率の観点からも、ページの読み込み速度は速い方が良いです。しかもそれがSEOにも繋がるため、しっかり対策する必要があります。

ページの読み込み速度は、GoogleによるPageSpeed Insightsを活用することで計測できます。

改善するための手法はたくさんありますが、前述の通りランディングページでは画像が多用される傾向がありここがネックになることが多いので、画像の容量を抑えることをまずは心がけましょう。

画像の容量を抑える施策としては、下記の2点が簡単に実施できます。

  1. 表示サイズを大幅に超えるピクセル数の画像を使わない
  2. TinyPNGなどで画像容量を圧縮する

本体サイトから導線を貼る

ランディングページは本体サイトから導線を貼られないことが多いです。

本体サイトに来ているユーザーを情報が重複するランディングページにわざわざ誘導する意味は無いため、これはごく自然なことです。

一方で、SEOの観点だと、トップページから何クリックで辿れるページなのかが、そのページの重要性を表すシグナルの一つとなっています。

参考:GoogleのMatt Cutts氏による解説

したがって、本体サイトから全くリンクが貼られていないと、リンク構造においては重要性の低いページという扱いになってしまいます。

以上を踏まえると、フッターなどあまり目立たない箇所でよいのでリンクを貼ることが効果的と考えられます。

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