SEOのキーワード難易度を分析する手順【ツールも紹介】
SEOではキーワードの難易度を的確に分析・評価することが非常に重要です。サイトの地力に見合わない難易度のキーワードを選定してしまうと、たとえコンテンツの質が高くとも上位表示できない可能性があります。
本コラムでは、どのようにしてキーワードの難易度を測ればよいのかわからない方に向けて、具体的な分析の観点と手順、おすすめのツールを解説します。
「労力やコストをかけてコンテンツを作ったのに、成果がまったく出ない」という失敗を避けるために、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
当社リラクスでは無料のサイト改善提案を実施しており、その中で狙いたいキーワードの難易度を調査することも可能です。無料でキーワードの難易度を知りたい方はぜひフォームよりお申し込みください。
SEOのキーワード難易度を分析する手順
キーワードの難易度は、そのキーワードで上位表示されているサイトがSEOの観点でどれくらい強いかによって決まります。つまり難易度の分析は競合調査のことだと言えるでしょう。
そして、SEO観点での競合調査では、下記のポイントを押さえることが重要です。
- 被リンクの充実度
- 関連コンテンツの充実度
- 運営者・著者・監修者
- コンテンツの品質
これらの分析を具体的にどのような手順で進めていけばよいかを、以下で解説していきます。
また、本コラムで使用する分析シートをスプレッドシートで配布しています。下記のリンクから開き、コピーした上でご利用いただけると幸いです。
このシートでは、キーワードの難易度を4点満点で評価します。詳細は以下で解説していきます。
被リンクの充実度
被リンクは他のサイトから貼られているリンクを指します。どのようなサイトからどれくらいの数の被リンクを得られているかは、検索順位に強く影響する要素の一つです。
なおかつ、被リンクは他の主な影響要因と比べて意図的に成長させることが難しい領域です。つまり現時点で自社よりもこの点が優れている競合を追い越すことの難易度が高いため、キーワードの競合性を測る上で特に重要な要素になります。
被リンクにはドメイン単位とページ単位の2つの側面があり、前者は「ドメインパワー」のような言葉で表現されることもあります。
被リンクを分析する際は、リンク元のサイトの内容やリンクの貼られ方など細かな視点が求められますが、そういった分析には非常に労力がかかるため、キーワード選定の段階ですべての候補ワードで実施することは現実的ではありません。
そのため、まずは以下のような専用ツールを使って、被リンクの質や量を定量的に評価したスコアを確認することがおすすめです(カッコ内はドメイン単位でのスコアの名称)。
これらの被リンク分析ツールを使うと、対象のサイトやページの被リンク状況を100点満点でスコアリングしてくれます。
第三者ツールによる数値なのでGoogleからの評価と完全に一致する保証は無いものの、概要を瞬時に把握する上では非常に有用な指標です。
特にドメイン単位のスコアは、検索順位との相関性も高く、かつ簡単に数値を確認できるため、ぜひ活用しましょう。
seolookは当社が運営するSEOツールで、費用が安いためコストを抑えながら分析したい場合はおすすめです。その他の3つはすべて外資系のツールで世界的に使われているメジャーなものですが、特にAhrefsのDomain Rating(DR)は参照されることが多い指標です。
seolookのドメインスコアとAhrefsのDRの基準はおおよそ下記の通りです。
0 ~ 20 | 20 ~ 40 | 40 ~ 60 | 60以上 |
---|---|---|---|
ドメイン評価は高くなく、高難易度のキーワードは狙いづらい。 | 標準的なドメイン評価で、高難易度のキーワードはまだハードルが高いものの、戦略的にSEOを実施することで一定のテーマでは上位を狙える可能性がある。 | ドメイン評価は高めで、高難易度のキーワードにも立ち向かう土台がある。 | ドメイン評価が非常に高く、有名企業によるサイトなどが中心。 高難易度のキーワードもためらいなく狙っていける。 |
ページを目視した段階では「そこまで力を入れて運営されているサイトには見えない」という印象を持ったとしても、実はサイトの運営歴が長くかなりの被リンクを積み重ねているようなケースもあるため、実際にデータを参照することが大切です。
分析の手順
難易度を分析したいキーワードをシークレットモードで検索し、上位5サイト程度のドメインを確認します。
上述したseolookというツールでは、「サイト概要」からそのサイトのドメインスコアを取得できます。これを使い、各サイトの数値を取得してください。
その上で、各サイトのドメインスコアの平均値を算出し、難易度分析シートのドメインの列に記載してください。
関連コンテンツの充実度
「関連コンテンツ」とは、「特定のキーワードに関連するキーワード」に最適化されたコンテンツのことを指します。
具体的にはサジェストキーワードや再検索キーワードなどが挙げられ、例えば「seo」がキーワードであれば「seo キーワード」や「seo対策 費用」などが該当します。
サジェストキーワード | 再検索キーワード |
---|---|
あるキーワードと、それと共に検索されることが多い語句との組み合わせからなるフレーズ。検索エンジンの検索窓にキーワードを入力した際に表示される。 | あるキーワードによる検索に類似する検索で使われることが多いキーワード。 Googleの検索結果の下方の「関連性の高い検索」の欄に表示される。 |
関連コンテンツの充実度もまた検索順位に与える影響は大きく、それには主に下記の2つの理由があります。
- ユーザーの検索意図の満たしやすさに影響するから
- サイトの専門性の評価に影響するから
まず「ユーザーの検索意図の満たしやすさに影響するから」について、例えば「キーワード選定」と検索する人であれば、キーワードを選定するためのツール(「キーワード選定 ツール」)や、その中の主要ツールの詳細や使い方(「キーワードプランナー」)は、知りたい情報に含まれるでしょう。
それらの情報が「キーワード選定」のコラムの中に収まる範囲内で簡単に説明されているのと、それらをメインに解説した専用コラムが存在しているのとでは、後者の方がユーザーが求める情報がサイト内で網羅されている可能性が高いです。
つまり関連コンテンツが内部リンクとして適切に配置されている状態は、ユーザーの検索意図を満たしやすく、Googleからの評価も高くなりやすいと考えられます。
次に「サイトの専門性の評価に影響するから」について、前提として専門性はGoogleがサイトの品質を評価する観点の一つです。
Googleは検索評価ガイドラインという資料の中でE-E-A-Tという評価基準を公表しており、それぞれ「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼)」の頭文字から取られています。これらを高いレベルで満たすサイトやコンテンツはGoogleから高評価を得ることができ、よい検索順位を獲得できる可能性が高いです。
そして、サイトの専門性の評価軸の1つとして、そのトピックに属するコンテンツの充実度が挙げられると考えられます。
例えば下記の2つのサイトがあるとしましょう。
- リスティング広告の解説がメインのサイトで、SEOを解説するコンテンツは数ページのみ
- SEOの解説がメインのサイトで、SEOについてのコラムが数十~100ページ以上存在する
このとき、個別のコンテンツの品質が同レベルであれば、後者の方が「SEOについての専門性が高いサイト」だと感じる人が大半でしょう。
検索ユーザーがそのように感じるのであれば、Googleもそのように判断する可能性が高いです。
したがって、サイトの中で特定のトピックについて深く網羅的に解説されている、つまり関連コンテンツが充実している状態は、専門性を担保しやすく、そういったコンテンツが上位を占めているキーワードはその分競合性が高いと考えられます。
分析の手順
検索上位のページを訪問して、下記の2つの視点から関連コンテンツの充実度を確認しましょう。
- そのページから文脈に沿った形で内部リンクを貼られているページ
- そのページからの内部リンクの有無に関わらず、同じトピックを扱っているページ
細かく正確に数える必要までは無く、4段階程度で評価するのがおすすめです。ほぼ関連コンテンツが無ければ1、ほぼ網羅していれば4、その中間が2, 3というイメージです。
著者・監修者・運営者
ページの執筆者や監修者、そしてサイトの運営者は、そのコンテンツがどれくらい信頼できるかを測る一つの根拠としてGoogleに重視されています。
例えば業界で著名で評判の高い方や、そのテーマを解説するにふさわしい公的資格の保有者などが執筆していれば、それだけ信頼性が高くなり、ひいては高順位がつきやすくなります。
また、サイトの運営者が有名企業であったり、上場しているなど権威性を持っている場合も、同様に信頼性の評価が高くなりやすいです。
なお、これらは前述のドメイン評価と相関性があり、信頼性の高い運営者によるサイトはおのずとドメイン評価も高くなる傾向があります。
※ ただし、たとえば「上場企業が新規のドメインで作成したばかりのサイト」などであれば、運営者の信頼性は高いがドメイン評価はまだ低いという状況もあり得ます。
つまり、狙いたいキーワードで上位表示されているサイトやページが、信頼性の高い運営者・執筆者・監修者によるものばかりであれば、この観点から見るキーワード難易度は高いと言えます。
信頼性を判断する具体的な基準は以下で解説します。
分析の手順
検索上位のページにアクセスし、そのページの執筆者とサイトの運営者を確認します。
ブログ型のページであれば、メインコンテンツの上部か下部に執筆者・監修者の情報が掲載されている可能性があります。
また、運営者情報は、メディアサイトならフッターなどに「運営会社」のように、コーポレートサイトならヘッダーなどに「会社概要」のようにリンクが貼られていることが多いです。
例えば本コラムであれば、執筆者はWebコンサルタントの牧野健人で、サイトの運営者はSEOやWebサイト改善を専門とする株式会社リラクスです。
そして、その人物や企業を下記の基準で3段階で評価します。
4点 | 2点 | 1点 |
---|---|---|
業界の著名人 書籍を出版している Google検索で指名を検索するとナレッジパネルが表示される 高度な公的資格(医師・弁護士など)を所有している | その分野での経験がある | その分野での経験が無い 匿名 人物情報の記載が無い |
4点 | 2点 | 1点 |
---|---|---|
上場企業 有名企業 公的団体(行政など) | その分野で事業を営む企業 | 関連性の薄い事業を営む企業 個人ブログ |
コンテンツの品質
コンテンツの品質は他の項目と比べて客観的な基準で評価することが難しいですが、重要な観点としては下記の2点が挙げられます。
- (検索意図のカバーにおける)網羅性
- 独自性
まず網羅性は、ユーザーが検索によって知りたいと思っている情報をどれくらい漏れなくカバーできているかということがポイントになります。
知りたいことの一部しかページに載っていない場合、他のサイトのページを確認したり、検索語句を変えて再検索したりすることが必要になってしまい、ユーザー体験が損なわれます。
逆に言うと、求めている情報が漏れなく載っている網羅性の高いコンテンツはよいユーザー体験を提供しやすいため、コンテンツの品質を高く評価できるケースが多いです。
ただし、網羅性を担保するだけだと他サイトのコンテンツと類似してしまうおそれがあります。そこで、2つ目のポイントである独自性が重要になります。
調べたらわかるような情報だけでなく、実体験に基づく一次情報や独自に実施した調査の結果、インタビューなどの独自性の高い情報が掲載されているコンテンツは高い評価を得やすいです。
つまり、網羅性を担保した上で独自の情報を盛り込んでいるようなコンテンツばかりが上位を占めているキーワードは、競合性が高いと考えられます。
分析の手順
下記の基準で網羅性と独自性を評価します。考えられる影響度に基づき、網羅性は1, 2, 3点、独自性は1, 2, 3, 4点のスケールとしています。
3 | 2 | 1 |
---|---|---|
想定できる検索意図を網羅している | 3と1の中間程度 | 情報量が明らかに不足している |
4 | 3 | 2 | 1 |
---|---|---|---|
執筆者ならではの深い実体験に基づいている 独自のデータ(調査や統計、アンケート等)が含まれている | 2を満たした上で、ある程度独自性がある情報源(書籍・海外情報等)を扱っている | 情報自体は普通だが、まとめ方にある程度の独自性がある | 調べたらわかるような情報から主に成り立っている |
キーワード難易度分析シートの使い方
本コラムの冒頭でも紹介したキーワード難易度分析シートを使うと、ここまで解説してきた手順でキーワードごとに4つの観点から難易度を分析できます。
この4項目を埋めると、「総合評価」の欄にて4点満点(小数点第一まで)でキーワード難易度が算出されます。
難易度はおおよそ下記の基準で判定していただくことがおすすめです。
3〜 | 2.5~2.9 | 2.0~2.4 | 〜2.0 |
---|---|---|---|
難 | やや難 | 普通 | 低 |
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